お仕事で山にのぼってきた

 雨なんか降らないという予報だったのでそれを信じていったのですが、午後からだんだん雲行きが怪しくなり、最終的には雨に降られました。だまされました。
 近くには雨をしのげる場所もないし、予報を信じてきたので当然傘や合羽なんて持ってないし、仕方ないので近くの民家へ走って勝手に軒先をお借りすることにしました。しかし雨はどんどん本格化する一方。
 同じく雨に降られたとかで畑から戻ってきた、その民家のおばあちゃんと鉢合わせ。どうもお邪魔してます。
 さらに、そのおばあちゃんに何かを持ってきた近所のおばちゃんも合流しちゃいました。
 「○○から来たの?」とおばちゃん。「ここは良いところでしょ? 静かで。○○は私もたまに遊びに行くんだけど、ちょっといると耳が痛くなっちゃってダメなのよ」 おばあちゃんも「私も、遊びに行った日は、帰ってきても何だか寝つけなくてねぇ・・・」って言ってました。山は虫の声と鳥の声、水が流れる音と遠くを走る車の音ぐらいしか聞こえません。私の住んでる町は、もっともっと数え切れないほどの音がしてます。いろんな色が見えます。ここに住んでる人から見ればちょっとした「異常な世界」に見えるのかもしれません*1
 そういえば、私が高校生になるまで住んでいたところも、ここと似たような田舎でした。個人経営のお店がちょろっと並ぶだけの商店街、コンビニなんてもちろんありません。夜に行くような施設と言えばスナック的なものしかなく、20時過ぎたら家にいるのが当然でした。行くところないから。
 当時はそこしか知らなかったからさほどの不自由は感じませんでしたが、子供の頃を過ごすには良いところですけど今はちょっと住みたくないなぁ・・・。雪とか降るし霧とか深いし寒いし。
 そういえば。うちの母は高校を出てから秋葉原で働いていたと言ってました。当時は今ほど電気製品に特化された街ではなかったそうですが、そうは言っても東京です。都会には間違いない。
 そんなところからド田舎に嫁いできて(しかも若い身空で)子育てしてたのかと思うと、まぁやっぱりいろいろ不便や不満はあったんだろうなぁ。
 「遠くから見て、てっきりマリちゃんが来てるのかと思った。私、目が悪いから」とおばちゃん。「あの子はお祭りのときに来たっきりだよ。それも日帰りでさぁ」とおばあちゃんが答えてました。
 マリちゃん、今度はゆっくり帰ってあげるといいと思うよ*2

*1:ま、私からしてみれば東京だって「毎日がお祭り」みたいに見える訳ですが。

*2:と、自分のことを棚上げして言ってみる。最近帰りが遅いので・・・って言い訳して、未だに母に電話してません。来週?