お仕事最終日でした

shirokuma_x2007-03-17

 とにかく見送られたくなかった。理想を言うならいつもの雰囲気で先にあがる同僚たちに「おつかれさまでした〜」と声をかけ、残り3〜4人ぐらいの地味なテンションになってからしんみりと思い出話の一つもして、さらりと去りたいなと考えてました。
 そんなわけで、ちょっとスローペースで仕事をやりつつ残業時間突入。さぁ、みなさん三々五々に退社してくれ!と心の中で念じていたのですが、案外誰も帰らない! 案外っていうか、土曜日だからってみんなさっさと帰宅する訳じゃないんですね、年度末で納期もせまってるし。
 20時をまわりお腹もすいてきまして、これはもう悠長にかまえている場合じゃないかも・・・と思い始めた頃、帰宅する人が出てきました。よっしゃ計画通り。
 計画通りなんですけども、皆さん帰る前に私のところに来てお別れの挨拶をするんですよね。これはこれで予想外、面と向かってお礼を言ったり言われたりするとキューンってなってしまい、ちょっとウルウルきてたんですけど、そこはそれ1対1だし負けてたまるかと気合ではねのけて、いつものバカ会話でウルルンモードをふっとばしました。いける!これなら勝てる!!
 一人が帰るとそれが呼び水になったように、続々とみんなが帰り支度を始めました。よしよし、私もそろそろ仕事を切り上げ帰る支度をしなくては・・・。
 最後の私物を箱につめながら挨拶に来る同僚たちと世間話。気がつけば社内の残人数もいい感じに減っています。パソコン内のファイルを整理して管理者権限を共有アカウントに移し、自分のアカウントを削除。今日まで毎日顔を合わせ一緒に仕事をしてきた仲なのに、共有アカウントでログインすると、まるで他人のような顔になるんだねキミは。
 てな感じで「もう帰るぜ」モードになってたんですけれど、アカウント削除って思いのほか時間がかかりますね! 固まってるんじゃねーのっていうぐらい動かない。困った。そうこうしているうちにも同僚はどんどん帰り、気がつけば残っているのは課長と主任の二人だけ。・・・もしかして二人とも、私が残ってるから帰れずにいる・・・とか?
 アカウント削除作業なんて放置して帰るか・・・いやしかし、万が一個人設定が残ってると困る。ブラウザのお気に入りなんて残っちゃった日にはあんた、アンテナ見られただけで私の趣味からダイアリまで全てが白日のもとにさらけ出されちゃう訳ですよ。会社の話も書いてるのに! それを考えると、せめてアカウント削除が完了するのを見届けたい!さもなくばこのまま連れて帰りたい!
 全然終わる気配がないので、後ろ髪をひかれる思いで帰宅しようかと置き手紙を書き始めた頃、ようやくアカウント削除が完了しました。よかった!よかった! デフラグを走らせて帰ろう。
 課長と主任に最後のあいさつをし、なぜかダンボール箱いっぱいになった私物を抱え、ひっそりと静かに帰ろうとしたところ・・・
 「あ、しろくまさん」
 と呼び止める声。見たら、帰ったと思っていた女性社員が揃って別室にて雑談中なのでした。えー、だって最初の子は一時間も前にタイムカードを押してたじゃないですか!
 「でも、どうしてもやっぱりしろくまさんを見送りたかったから」
 泣いた。もうね、泣いたよね。卑怯だよとっくに帰ったと思ってたのに待ち伏せしてたなんて。私がいつ帰るのかもわからないのにずっと待ってたなんて。今日は寄り道でもして帰ろうと思ってたのに、こんなに泣いたらどこにも行けないじゃないか。
 すっかりやられました。わしゃーシアワセもんだなぁって思いました。ホント、たいしたこともせず、ただ気がついたら長い期間勤め続けてしまったというだけなのに、みんなこんなに別れを惜しみ、門出を祝ってくれます。自分には勿体ない扱いです。
 最後に、同僚に言われた言葉を引用。

 自分は、今まで工事現場をまわって来ましたから人一倍出会いと別れを繰り返してると思うんですけれど。
 縁ってあるんですよねやっぱり。
 縁がある人とは、思いもかけないところでバッタリ再会したりするもんなんですよ。
 だから、縁があるなら、またきっとひょんなところで会えるはずです。だからお別れは言いません。また・・・。

 また、と言って別れました。もしかしたらコレが今生の別れになってしまう人だっているかもしれませんが、同じ職場で、朝も昼も夜も、ずっと一緒に働いてきた仲間たちだから。
 縁があると信じてる。どこかでバッタリ出くわすんじゃないかと楽しみにしてる。
 とりあえず、来週末の「お疲れ様&しろくま送別会」で顔をあわすんですけどね。だからまだそんなに寂しくない。大丈夫、大丈夫。