あなたが見ているその人は、ホントは違う人かもしれないよ?って話。
山奥の県道で、「全面通行止め」の看板の脇で箱尺*1を持ってポーっと突っ立っておりました。
そしたら濃い色のセダンが看板の前でキュッと停車。なんだか私のことを見てる気配がするなぁ、車内では「ちょ、やめなよお父さん」みたいなオバサンの声が聞こえるなぁ、なんかちょっと揉めてる?・・・なんて思ってたら、セダンの運転席のドアが開いて中から60代ぐらいの、小さな会社の重役か社長をやってそうなチョイ偉そうなオジサンが出てきました。「ダムに行きたいんだけど」
はぁ? この先にダムがあるんですか?と内心思ったんですけども。この辺の地理全く知らないし。それでも看板に載ってる迂回路を見ながら道を思いだしつつ「えっとですね、私もあんまり詳しくないんですけれど、この道を戻ってもらって・・・」って言いかけたら「あんまり詳しくないとはどういうことだ!」て怒られ口調で突然言われました(´・ω・`)
「いや、あの、私ここの工事とは関係ないんですけど・・・」て苦笑しながら答えたところで、看板の奥、工事やってる方からオジサンの連れらしき人が「ダメだぁ、戻って迂回しないといけないみたいだわ」と言いながら戻ってきました。
どうやら
- 通行止めって書いてあるのに、女(私)が案内もしないでぽーっと立ってる
- 運転手「案内するのが仕事だろうがけしからん 一言いってやる!」
- 助手席「お父さんやめて」
- 後部座席「あんなボヘッとした女に関わるなんて時間のムダだよ、中の人に話聞いてくるよ」
という展開だったのではないかと推測。後部座席のオジサン、ナイス判断でした。
運転席のオジサンは、誤解があったことに気づくと相好を崩し、「いやぁ〜 アンタがスタッフ(箱尺の別称)持ってるから」なんてフレンドリーに話しかけてきました。どうやら土木関係の方だった模様。2,3、仕事に関することを訊ねた後、「じゃ」と笑顔で帰っていかれました。
しかし意外でした。自分で言うのも何なんですが、私は色白で貧弱な体型で、どっからどう見ても明らかにインドア系なんですよ。「箸より重いものは丼しか持てません」ぐらいのヘコたれた外見なんですよ。で、服だって私服だし(汚れても良い格好(小汚い格好)でした) 唯一、土木系を連想させるアイテムは箱尺だけ。っていうか箱尺持って工事現場うろついてる人なんて見たことねーよ。
それでも、工事現場の辺りでポーっと立ってるだけでも、関係者として認識されるということなんですね。
この後に合流した同僚(男・ダンボール色の作業着を上下着用)になると、もう「誤解してくれ」と言わんばかりの状況ですから。来た人も何の疑いもなく窓をあけてコチラを呼びとめてくる訳です。「ちょっとちょっと!」「何、通れないの? この道」「○○に行きたいんだけどさぁ」などと口調もぞんざいです。
同僚は近辺の道を把握しているので丁寧に道案内をしていましたが、それに対する運転手の反応は「あ、そう」「は〜い」という感じ。礼の一言もありません。むしろ「工事とかされるとメーワクなんだよね」っていう雰囲気がありありとにじみ出ていました。
なんていうか、ちょっと面白かったです。あなた方が無条件に信用しているその男は、実は工事関係者でも何でもない人間なんですよ? みたいな。
それにしても、来る車は全て「全面通行止め」という単語を一読すると下の「迂回路案内」には目もくれず人に道を尋ねるんですね。「地図があるんだからソレを見ろよ」と同僚は憤慨しておりましたが、でも自分の場合もいきなり尋ねるかも。地図読めないし(苦笑。
この習性を何かに悪用できないかしら・・・と小人閑居して不善なことを妄想してたんですけども、無責任に工事現場に案内してハーメルンの笛吹きよろしく工事現場(穴)に落とす、ぐらいのことしか思いつきませんでした。そんなことやっても何のメリットもないなぁ。
なんて思いつつちょっと離れたところで見てたら、数台の車が「全面通行止め」の看板をスルーして工事現場まで直行し、行き止まって、狭い場所でのUターンを余儀なくされてました*2。・・・看板見てないんですねホントに(汗。
山間部の県道なのでご近所にお住まいと思われる年配の方ばっかりだったんですけど、それにしても看板を見たら4ヶ月前から通行止めになってるはずなのに。ご存知なかったんでしょうか*3。それとも「通行止めって書いてあるけどボチボチ工事終わってるんじゃね?」っていうポジティブシンキングゆえでしょうか。謎。