欧米か！

　珍しく霧に包まれた夜です。
　地元は山岳民族なので霧は見慣れたものなんですが、今住んでいる町は海に割合近い平地で、もう長いこと住んでいるのですがこんなに深い霧が出るのを初めて見ました。
　車の運転もおっかなびっくりです。たしかに地元では霧なんて珍しくもないのですが、地元を自分の車で運転したことはあんまりないのです。１０ｍ先の視界すらあやうい中、車を走らせていた親はやっぱりすごい。
　いつもは遠く山の方まで見通せる一直線の道路も、今日ばかりは視界が利かず、等間隔に並ぶ街頭が幽玄的にあたりを照らしています。けぶる水蒸気が光を反射していつもより明るく見えるのに、今走っている道の先すら朦朧として見えない有様です。３００ｍも進めばＴ字路の突き当たりに出るはずなのに、どこまでもどこまでも、まっすぐに道が続いているんじゃないかという錯覚を覚えます。
　車を降りると、吐息まで真っ白でした。やはり、こんなに寒いのにこんなに霧が深いなんて何かおかしい。もしかしたら私が立っているのは、いつもと同じように見えるけれどもいつもとは違う場所なのかもしれない。そう、「霧の街ロンドン」とか言うじゃない。きっと彼の地は、こんな冷たい霧で街全体を覆われているに違いない。
　欧米か！　（多分、こういう使い方ではないと思われる。
　会社のエアコンの修理が終わるまでにしばらくかかりそうなので、足元用のミニヒーターを買ってきました。本当だったら忘年会のビンゴ大会で当てるはずだったんですけれど、そうそううまくはいかないものです。