カイジ 人生逆転ゲーム

　観てまいりました。すごく面白かったです。全編クライマックスという感じで、ドキドキしまくりでした。藤原竜也も香川照之も血管が切れる勢いで目をむいてしゃべるしゃべる。あと福本マンガ特有の「説明口調なビックリマーク付きひとりごと」も良かったし、「ザワザワ」も良かった。いい感じにザワザワしてました。あと天海祐希も良かった。黒かった、ひたすら黒くて格好良かった。
　テレビの告知番組では「観ると世界が変わります」くらいの事を言ってましたが、私の場合そんなことはなかった。10代後半から20代くらいの若者が観たら変わるかもしらんね。しかし劇中で勝負に負けたオジサンがいて、主人公は「あの人は最後の最後まで人の事を気遣っていた！　金のことしか考えられないお前らなんかより、よっぽど勝ち組だ！」みたいな事を熱弁していたんですが、でも途中で勝負を諦めたオジサンはやっぱ負け組みなんじゃないかなぁとか思ったりするくらいには変わった。金があれば勝ち組ではないけど、お金がないと勝負すらできない事が多いよね。劇中の２回目のゲームのように「ゴールできたら勝ち」というルールだと、参加者が励ましあい、助け合うことができるし、頑張ることで報われるので良いのですが、世間は得てして１回目のゲームのように「敗者がいるから勝者がいる」事が多く（受験や出世競争しかり）、ときには駆け引きや騙しあいのような事も必要だったりして、なんと言うか世知辛い。
　映画とは全く関係ないんですが、劇中、悪の親玉が「虫けらにはちょっと甘い汁を吸わせて有頂天にさせた後、こちらの力を見せ付けて有り金全部、内臓まで搾り取れば良いんじゃ」みたいな極悪非道な台詞を吐くんですけども、そのときシーンとしていた劇場の後方から大阪のオッチャンと思われる「ブワッハッハッハ！」という笑い声が響いてきました。ちょ、大阪のオッチャンが笑うとシャレにならんわ。